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2017.03/24 [Fri]
フランドルの雫 ブルゴーニュ公爵夫人2 Duchesse de Bourgogne

FC2トラックバックテーマ 第2245回「醸造酒派?蒸留酒派?」に寄せて
フランドルの雫 ブルゴーニュ公爵夫人2 ”Flemish art of brewing”
ブルゴーニュ公爵夫人1 http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-entry-1441.html より

ホップ臭さがまるで無く、赤ワインのようにフルーティーな香りのビール、知っていますか?
それはベルジビアン・ビア。ベルギー・ビールです。
桜の季節と、もみじが色づくころ会う古い友人がいて、会うと きまってお気に入りのアントワープ・カフェを訪れます。 カフェというよりは本当はパブかバルなんだけど、なぜかみんなカフェと呼ぶ、お洒落なベルジアンビア・カフェ。ビール好きな父がベルギービール飲んでハシゴしていたブラッセルズ東京という店のブランチかと思っていたら、ここは本格的な西欧伝統料理を出すベルギーの正統派のカフェなのです。
父の時代は何故かヒュー・ガルテンよりシメイが主流だったそうだけど、今はそれこそ何十種類ものベルギー・ビールが楽しめます。
ベルギービールには素敵なラベルのボトルが多く、名前(ラベル)一つとっても、どれも皆歴史を髣髴とさせてくれる由来があります
昨年、お気に入りのベルギー・ビール、ブルゴーニュ公爵夫人の記事を書きました。そのとき、機会を設けてもう少し詳しく書きたいと記したので、今回続きを書いてみようと思います。
※先の記事 ブルゴーニュ公爵夫人Ⅰ Duchesse de Bourgogne
http://yonipo.blog13.fc2.com/blog-entry-1441.html

ブルゴーニュの薔薇と謳われたマリーの歴史
ブルゴーニュ女公爵 神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世妃
マリア・フォン・ブルグント(マリー・ド・ブルゴーニュ)1457~1482
ブルゴーニュ公シャルル突進公は、悲願であった神聖ローマ皇帝の座につけず、愛娘マリーに夢を託し、フリードリヒ3世の息子マクシミリアンとの縁組を指示し、1477年に世をさりました。
弱気で陰気なフリードリヒからは想像もつかない溌剌とした男らしい息子のマクシミリアン(当時14才)と、二つ年上だった美少女マリーは初めての出会いから恋に落ちました。言葉もうまく通じない二人でしたが、政略結婚の思惑などお構いなしに意気投合したといいます。恋は盲目といいますが、言葉もいらないんですね。(笑)
フランス王朝のブルボン家より古く由緒あるバロワ家の血筋のマリーは大変な名家の姫君といってよく、各国の名家からも縁談が舞い込んでいて、当時財政の芳しくなかったハプスブルグ家のマクシミリアンとの結婚条件は難航し、四年もの歳月を要したそうです。
マリーの夫マクシミリアンは神聖ローマ皇帝 愛妻ブルゴーニュのマリー


晴れて結婚できたとき、ふたりはどんなに幸せだったことでしょう。
マクシミリアンはフランス軍を撃退してブルゴーニュ公の地位を確立し、かわいい王子も生まれて幸せの絶頂にいました。
しかし、仲が良すぎるのも問題で、結婚から5年しかたっていないある日、マリーは妊娠中にもかかわらずマクシミリアンの鷹狩りについて行ってしまいます。そしてこのとき落馬をし、さらに運悪く馬がマリーの上に倒れてきて、三週間後に彼女は世を去ってしまいます。仲睦まじかった若く美しい妻を失ったマクシミリアンの嘆きはいかばかりだったことでしょう。ハプスブルグ家の源流でありながら、マクシミリアンはその若さで十何年と妻を娶らず、息子、娘を可愛がり独身生活を送り続けます。
スペインら旧勢力の圧政に苦しんでいたフランドルの人々に味方したマリーはまた、民にも非常に愛されていて、15000人もの人達が参列するなか寺院に埋葬されました。
そんなマリーの人気は後世にも引き継がれ、この美しく芳醇なレッドビールの名として再来したのでした。

”Flemish art of brewing" 醸造のフランドル芸術について
ベルギー・ビールの、ウンチクを語り始めたらキリがないほどの歴史がありますが、その原点を絞って言うなら、フランドルとスペインとの闘いにあるでしょう。
フランドルとスペイン列強の戦いはプロテスタントとカソリックの勢力争いに見えて、実は列強国同士の国捕り合戦の歴史と言えます。
Protestant―のprotestとは、本来反抗する、抵抗する、という意味なのですが、莫大な金(キン)の蓄財量を後ろ盾に、何も産まず退廃して威張り腐った旧教勢力に対抗して、こつこつと働き、沢山の産業やバイオの基本ともなる農業を生み出してくれたプロテスタントたちの偉業は、この美しいビールにもしっかりとその足跡を刻んでいます。 画像のラベルの上にも書かれた”Flemish art of brewing"って、まさにフラマン人プロテスタントの芸術ともいえる文化産業そのものなのです。
ビールのラベルに描かれたマリー

ベルギービールは醸造のしかたもものすごく芸術的。樽(桶)からしてすごいこだわり。こだわりといえば、ビールによって専用グラスがあること。それぞれちょとずつ違うゴブレットの形状がこれまたお洒落で。
デュベル、ロシュフォール、ローデンバッハ・グランクリュ・・・名前もまるでワインみたいでしょう? 紅茶の種類にも似ているのは、フローラル・ブーケやシトラスフルーツの香り、各種ハーブ、ブランデー、リキュールと、あらゆるアロマが魔法みたいに渾然一体と籠められてる感じだからでしょう。確かにこれなら、ビール嫌いな女性もウットリくること間違いなしでしょうね。
飛行機で働いてたとき、ブリュッセルから搭載してたヒュー・ガルテンを飲んだときはそれほど個性を感じなかったけれど、きっとあれが一番日本ビールに近い、日本人の味覚に合ったものだったからかもしれません。日本人好みの黄色と白いアワアワな純粋ポップビールもあるベルギービール、軽く800種類はあると言われています。
桜吹雪も素敵な宵でしたが、悲しいかな桜は梅と違って香りがありません。そこでこの日の二杯目は、サトウニシキのほのかなアロマにも似た サクランボを漬け込んだ赤ビール、ベルビュー・クリークを飲みました。
丸の内正面のお堀を紅葉が赤く染める頃、ベルギービールの飲めるアントワープカフェに、また行きたいと思っています。

三位一体みたいに、グラスとコースターのアンサンブルでセットになっているお洒落なベルギービール
☆☆ベルギーのおシャレな歴史ビールちょこっとご紹介☆☆
(800種の中から殆ど独断で美雨が選ばせていただきました)
「デュシャス・ド・ブルゴーニュ」 (ブルゴーニュ公爵夫人)

ベルギー・ビールを飲みにいくとき必ず一番目に乾杯する一瓶です。名前の由来は上に記した通りですが、スペイン旧勢力に虐げられていたフラマン人達に味方をしたブルゴーニュ侯爵の娘、マリー・ド・ブルゴーニュちなんで付けられました。
茶色がかった濃い赤褐色の典型的Red Beer。酸味を感じさせる香り、ブラックチェリーやパッションフルーツのような複雑な香りがあります。かといって酸っぱさはなく、甘みとのバランスがとても良く、上品で芳醇なとてもおいしいビールです。
「ロシュフォール」

ロシュフォールはアレクサンドル・デュマの三銃士に出てきそうな名前ですね。(笑) 悪役だったけれど。英語読みだとロックフォルト。ご存知チーズの名前です。このビールのツマミにもピッタリだとか。おかしいですね。ロックフォルトペアで。今度ペアで是非いかがですか。でも、実はブルーチーズ駄目な美雨でした(;^_^
代表的なトラピストビールで、スパイシーなアロマに加え、フルーツ、ビターチョコレートを思わせるフレーバー。マイケル・ジャクソンは★★★から★★★★を付けて評価しています。
「ヒューガルデン・禁断の果実」(スペシャルエール・アルコール度数8.8%・\1000)

禁断の果実―よく言ったものですね。アダムとイブにかけるとは。ヒューガルテン、シメイに限らずベルギービールって本当にフルーツリキュールのように芳醇なんです。これはビールという名にして欲しくない、そんなふうに考える私って不埒もの?それとも粋人?(笑)
「ギロチン」

ギロチンの考案者である有名なフランスの医者、ギロチン氏に因んで名づけられました。
透き通ったゴールド。
オレンジ、リンゴ、パイナップルのようなフルーティーな香り、コショーのようなスパイシーな香りもあります。
口に含むと最初甘味を感じますが、後で柑橘系の苦味のようなアルコールの高さを感じます。
ラベルには、名前の通り断首台が描かれています。
ギロチンといえばルイ16世とマリーアントワネットを思い浮かべてしまう美雨ですが、フラマン人達にもギロチンはポピュラーなツールだったのでしょうか!?
美雨
❤最後まで読んでくれてありがとう❤

マリーより
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ぶーくんさま
こちらこそ、温かいメッセージありがとうございます
ぶーくんさんはベルギービールお好きなのですね^^
日本ではまだメジャーでないので、お仲間を見つけてうれしいです。
グラスとペアなのがとってもおしゃれですよね。ブランデーグラスみたい一寸勿体ぶったあのグラス、
思わず持ち帰りたくなりますよね^^