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美雨の部屋へようこそ

ちょっとだけスピリチュアルな世界の旅日記や 文化、歴史のぷち・エッセイを書いています。他にも海外、国内のお気に入りのドラマのあらすじ&感想を勝手気ままに綴っています。

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ベルサイユ宮殿

ベルサイユ宮殿


ベルサイユ宮殿3


初めてパリを訪れる時、多くの人々が観光プランに入れたいと思う場所は、やはり、ルーブル美術館とベルサイユ宮殿だろう。それぞれたっぷり1日はかかってしまう。ハイシーズン中は、長蛇の列も覚悟しなくてはならない。

ベルサイユを訪れたのは、やはりこんな冬のオフシーズンであった。待ち時間もなく、静かに鑑賞できるメリットはあるが、かなり寒かった。美しい庭園を堪能するには、やはり春から秋、特に紅葉の時期がお薦めなのは言うまでもない。

フランス革命の動乱で荒廃したので、後代になって修復の手が入っている。家具調度品は当時の様式だが、勿論後になって入れたものである。しかし、フランス・ブルボン王朝の栄華の証としてのベルサイユ宮殿の地位はいささかも揺るぎはしない。
ベルサイユを写す数々のスクリーンでは、ロココ様式の過剰なまでの装飾が施された数々の広間が展開する。見方を変えれば、宮殿のプロモーション映画として楽しめるので 今後もっと入場者数が激増するのではないかと予想される。


ベルサイユ宮殿2
ベルサイユ宮殿のハイライト、鏡の間


最も有名で煌びやかな鏡の間、国王・王妃の寝室... バロック時代以降にヨーロッパ諸国で建造された主だった宮殿の殆どは、ベルサイユ宮を規範とした模倣・亜流と言っていい。ルイ14世が生涯をかけて建造した、壮大さと豪奢さの極み。この世界に、ベルサイユを凌ぐ宮殿が建てられることは、もう二度とないだろう。そして、多くの宮殿がそうであるように、ベルサイユもまた、実質的な栄華の時代は長くはなかった。

宮殿生活の快楽を心ゆくまで享受したのは、太陽王の曾孫にあたる次王のルイ15世ではないだろうか。


ルイ15世
ルイ15世

ルイ15世の寵姫ポンパドール夫人 ロココという一つの時代と洋式を築いた文化人でもあった
ルイ15世の寵姫ポンパドール婦人


二代下って、孫ルイ16世は、豪奢な暮らしには関心も執着もなく、趣味はひたすら狩猟と錠前作り。愛妾を侍らせることにも、全く興味を示さなかった。覇気に欠けるが、ある意味で聖人君子的な人物だったかもしれない。

ベルサイユをテーマにした映画の中で注目すべき場面として、アントワネット妃の初夜と出産のシーンがある。寝室には国王、司教、宮廷人、侍女たちがずらりと居並んでいる。つまり、初夜の床入れの儀式と王妃の出産は公開であったということだ。
アントワネットはフランスとオーストリア両国の条約締結の証として送り込まれたわけで、大使はその結果をウィーンの宮廷に報告する義務があった。



ルイ16世夫婦の寝台
ベルサイユ宮殿1



初夜のシーンでは天蓋ベットのカーテンが引かれるが、中世以来の西欧の王家の婚姻における慣習によれば、衆人注視の中で行為が行なわれたという。羞恥心も何もあったものではない。王と妃の言動は全て記録に残され 唯一のプライバシーと云えるのは、寝台のカーテンぐらいであった。
わずか14才でハプルブルグ家からブルボン家に嫁ぎ、7年間は夫婦関係がなかった。その原因は周知のように、ルイ16世の身体的欠陥による夫婦生活不能からである。
これは、兄のヨーゼフ2世がお忍びで(皇帝自身が身分を偽って敵の本拠地に乗り込むとは前代未聞!)ベルサイユを訪問。王と会見して勧めた(映画では象の場面)こともあり、手術によって解決した。
アントワネット自身が母后マリア・テレジア宛に歓びと共にしたためた手紙によれば、1777年8月30日、21才にしてめでたく乙女を卒業したらしい。


美しく豪華な王宮であっても肩の凝る宮廷生活
デコレーションケーキの上の菓子駒のように時間に弄ばれていたアントワネット
デコレーションケーキの上の菓子のように時間に弄ばれていたアントワネット


さらに当時は、王妃の出産も公開された。生まれた子が王子か王女か、誤魔化しやすり替えがないように、公明正大に性別を確認する必要があるからだ。妃にとっては王太子を生むことが、レゾンデートル(存在理由)を確固とするための第一条件である。ちなみにフランスの王室典範では「女王」の即位は認められていない。
映画「マリー・アントワネット」では、親王妃に先を越されて男児が生まれる。お祝いの言葉をかけるが、独り部屋に戻って泣き崩れるシーンが可哀相で、思わず貰い泣きしたくなる。

なお、王妃とフェルセン伯爵との実際の愛人関係は、ツヴァイクが書いた伝記では ベルサイユを追われてパリのチュイルリー宮に軟禁された後とされているようだ。この点は、シナリオと微妙に異なっている。
フェルセン伯は最後の騎士として、国王一家への助力を惜しまず、自らの資産を投じてヴァレンヌ逃亡を援護するが、結局は失敗に終わる。


映画マリーアントワネットより
映画マリーアントワネットより
巨大な宮殿より、粗末で小さな農家の館に住まうのを憧れた王妃マリー


ベルサイユは確かに絢爛豪華であるが、それを目にするのは”ときどき”でいい。
毎日暮らす居住空間としては、精神安定上、無理がありそうだ。
アントワネット妃が小じんまりとしたプチ・トリアノン宮や、のどかな田園風のアモー館を好んだ心情は、充分に理解できる。



美雨



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Comment

oharumama様 

こんばんは♪
ご訪問とコメントありがとうございます^^

> 去年、怖い絵展でマリーアントワネットの最後の肖像をみましたが、すごく優しいお顔をされてたんだなぁ~って思ったのを覚えています。

私もその絵(というか、ラフスケッチでしたね)見たことあります。
いまからギロチン台に向かうのに、少しもたじろぐ様子もなく、王妃としての威厳が溢れてましたよね。
宮廷にいたときのド派手に着飾った若い時の肖像画より、ずっと人間らしい表情が、共感できました(;_;)

>
> ベルサイユ宮殿、一度は行ってみたいなぁ~(#^^#)

NoTitle 

美雨さん、こんばんは~

去年、怖い絵展でマリーアントワネットの最後の肖像をみましたが、すごく優しいお顔をされてたんだなぁ~って思ったのを覚えています。

ベルサイユ宮殿、一度は行ってみたいなぁ~(#^^#)
  • posted by oharumama 
  • URL 
  • 2019.01/29 23:03分 
  • [Edit]

よっこたん様 

こんばんは。
この度も素敵なコメントありがとうございます<(_ _)>

ベルばらはもう必読書ですよね!
私も、あの名作に出会わなかったら、ここまでベルサイユや歴史に傾倒しなかったかも・・・です。
というか、池田理代子さんはすごい世界史モチベーターですよね。^^

> そうそうMIUMIU 美雨さんもHIKKANOさんのブロ友さんでしたか~!
> 私は犬の件で大変お世話になり・・素敵なブロ友さんでした。
> ブログ閉じられているので今でも心配してます(^_^;)

そうなんです、もう1年なんのご連絡もなく、すごく寂しいです。
親しかったブロガーさんが、突然ブログを閉じてしまわれるのは、本当に寂しいことですよね(;_;)

なっつばー様 

こんばんは^^
ご訪問とコメントありがとうございます。
本当に、同じようなちわわんこ(クリーム、ブラック)がいて、ご縁ですね。
そちらは、ブラックのほうがシニアなんですね。
でもどちらも可愛いですね^^
ちわわんなご縁でどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

> 華やかなベルサイユ宮殿ですが、美しさとは裏腹な歴史の舞台でもありますね。

本島ですね。
私はこんな氷のような宮殿、1日たりとも暮らせないと思いました。
冬に訪ねた時のイメージが強くて特に寒々しい思いが募るからかもしれませんが(苦笑)。

ベルサイユ~ 

こんばんは~MIUMIU 美雨さん^^
ベルサイユと言えばベルサイユの薔薇しか
頭に浮かびません(^_^;)
それにマリーアントワネットも~あんなに綺麗な
物語ではないと思いまsが有名な事で頭に残ってます。
そうそうMIUMIU 美雨さんもHIKKANOさんのブロ友さん
でしたか~!
私は犬の件で大変お世話になり・・素敵なブロ友さんでした。
ブログ閉じられているので今でも心配してます(^_^;)

ダリア様 

こんばんは(^^)
いつも本当にありがとうございます。お体の調子はいかがですか。
少しも雨が降らず、外も内も、ものすごく乾燥していて夏のように水分補給しております。

マリーアントワネットは、ベルばらでこそロマンティックに描かれているけれど、マンガ以上に悲壮な人生を送った女性ですね。
お母さんのマリアテレジアと3つのペチコート作戦で有名なエカテリーナ女帝もすさまじい人生を送った方だと思いますが、あのくらいの強さとふてぶてしさがないと、王室・皇室では生き残っていけませんよね。旦那が生ける廃人みたいな王でも、なんで3人も男児を生めたのか・・・それも最高権力さえ握ってしまえばいかようにも周りが正当化してくれる・・・ロシア宮廷ってどんだけ愚かなところなんだ、って訝しく思う以前に、歴史ってレゾンデートルの意思で作られていくんだな~って思います。

ダリアさん、乾燥に気を付けて風邪を早く治してくださいね。

土佐けんさま 

こんばんは。
奥様、風邪をひかれてしまわれましたか?
アシスタントさんが倒れてしまうと、カメラさんは大変ですね(>_<)
早く良くなってまた素敵な写真をたくさんアップしてくださいね^^

kotetsuママ 様 

こんばんは^^
ご訪問とコメントありがとうございます。
すごいですね!新婚旅行に3か国、けっこうハードだったのではないでしょうか。
でもきっと素晴らしい思い出が出来たことでしょう。^^

ベルサイユは、パリから近いようで結構遠く、できればツアーバスで1日かけて回りたい所ですね。
冬と夏とでは全くイメージも異なるし、やはりバラの咲く、薔薇ベルサイユの夏が素晴らしいと思います。
宮殿って、庭鑑賞とセットでなんぼなだぁ~とつくづく思いました。^^

ももぱぱさま 

こちらこそ、ご訪問とコメント、ありがとうございます。
伊勢神宮、わがこころのふるさと、みたいに年に一度は訪れたいところですね^^

アンジュママさま 

こんばんは!
ご訪問とコメントありがとうございます。
仰る通り、こんなきれいな宮殿に住めて現代より豪華な絹のドレスを着て、美味しいものを食べれて、王室の人ってなんて運が良い星のものとに生まれてるんだろうって昔は思っていましたが、王室の方々ほどプライバシーの無い、自由の無い人形のような暮らしを強いられてる人種ってないなぁと、知れば知るほど思います。
動物園の檻の中の動物を見ているようで、実は自分が観察されている、巨大な檻のなかの動物だった・・・みたいな、ベルサイユ監獄物語ですよね。
アントワネットにとって、農家を模したプチトリアノン宮が自分の身の丈に合った住まいだなんて、滑稽だけれど、本当に哀れに思います(;_;)

NoTitle 

拍手コメをありがとうございました。
同じようなチワワさんと暮らしておられるのですね。
我が家ではクリームの柚子は2歳で、ブラックタンのナッツは12歳なんです。
美雨さんの所と反対ですね。
記事の内容に関係ないことで申し訳ありませんでした。

華やかなベルサイユ宮殿ですが、美しさとは裏腹な歴史の舞台でもありますね。
  • posted by なっつばー 
  • URL 
  • 2019.01/28 01:12分 
  • [Edit]

NoTitle 

高貴な身分で、誰もが羨む豪華絢爛な暮らしぶりでも、
なかなか窮屈なことばかりで、私達が抱くイメージとはガラッと違ったものでした(#^.^#)
並々ならぬ精神力も必要になってきますよね☆
私達でも隅っこやこじんまりしてる方が落ち着いたりする場合があるように(#^.^#)スケールが違いすぎますが(^_^;)
巨大な宮殿よりプチ・トリアノン宮を好まれるとは☆特別な方であっても感覚が程遠いものでないのだなと何か親近感を感じました♡

いつも素敵な表現で☆温かなお気持ちで、ブログをみてくださり、とっても嬉しいです(^o^)丿
  • posted by アンジュまま 
  • URL 
  • 2019.01/27 20:34分 
  • [Edit]

NoTitle 

コメントありがとうございました。
いつもありがとうございます。
伊勢神宮、昨年夏に久しぶりに行って来ました。
  • posted by ももぱぱ 
  • URL 
  • 2019.01/27 17:26分 
  • [Edit]

NoTitle 

(* ^-^)ノこんばんわぁ♪
昨日は、訪問コメント、ありがとうございましたo(*^▽^*)o~♪
私は新婚旅行が、イギリス、イタリア、フランスだったんですが、ルーブルは行きましたが、スケジュールがパンパンで、ベルサイユ宮殿行けませんでした(x_x;)シュン
こうやって見ると、やはり後悔(^▽^;)
行ってみたかったなぁ~
いつかまた行ってみたいです。
  • posted by kotetsuママ 
  • URL 
  • 2019.01/26 22:00分 
  • [Edit]

NoTitle 

体調をご心配頂き、ありがとうございます。
僕は元気ですよ~
ただ、助手が体調を崩し、心配しましたが、
随分、良くなり、明日は二人で撮影に出かけられそうです^^
楽しく撮影が出来たら良いなと思っています。
いつもありがとうございます!
  • posted by 土佐けん 
  • URL 
  • 2019.01/26 20:56分 
  • [Edit]

 

美雨さん、こんばんは(^^)

初夜や出産が公開って聞くと現代人というか庶民の私の感覚ではビックリなんですけど、アントワネット本人もそれがいくら慣習でもやっぱり嫌なことですよね…
最近エカテリーナ2世が主人公のドラマ観たんですけど、彼女も変な検査を強要されたり辛そうでした…
国が変わってもこういう地位にいる人達の苦しみは同じなんだなぁと。(;_;)
  • posted by ダリア 
  • URL 
  • 2019.01/26 02:27分 
  • [Edit]

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MIUMIU 美雨

Author:MIUMIU 美雨
旅、歴史、長編ドラマ(短編も)のレビューやエッセイを書いています。
文化系の記事が多いですが、歴史ドラマ(大河ドラマ:八重の桜)や、韓ドラレビューも書きます。中でもソン・イルグクさんの作品が大好きです。
更新はマイペースで続けていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

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