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2019.05/29 [Wed]
つる薔薇の美しい古都チェスターはローマの”城砦”が語源
つる薔薇の美しい古都チェスターはローマの”城砦”が語源
ひとつ前のバラ記事が好評だったので、バラにちなんだ街の記事を載せてみます。
大好きな街、チェスター。
留学でお世話になった街でもあります。
町の起源は紀元前にさかのぼり、ローマ軍がウエールズの部族を制するためにこの地に砦を築いたことからついた名前です。古くはチェスターは陣砦を意味する言葉でした。長きにわたるウェールズの攻勢にそなえ、城壁はより長くそしてより強化されていきました。

チェスター大聖堂(カセドラル)
その後も、バイキングやウィリアム征服王の侵略を経て、17世紀の清教徒(ピューリタン)革命で街と城壁は無残に破壊されますが、18世紀にみごとに修復され、美しいチュダー王朝の街並みに生まれ変わります。
かつては街の南側を流れるディー川:River Deeに港を持ち、商業都市としても栄えていました。近世以後は近隣のリヴァプールやマンチェスターが台頭してきて取って代わられてしまいましたが、そんな大産業都市に囲まれて、チェスターは古代ローマと中世の街並みを伝える静けさをたたえています。

チェスター 古いローマの城塞都市
イギリスはどの街も薔薇の庭が美しく、薔薇を愛する人でいっぱいですが、ここチェスターの街で幾度もみかけたピンクと黄色いつる薔薇はなぜか忘れる事ができません。手塩にかけて育てたガーデンローズとはまた違った自然の強さと奥ゆかしさを醸し出すつる薔薇がこんなにも美しいと感じたのは、この街の本質とも通じる何かがこの薔薇にあるからかもしれません。そんなつるバラのどこより美しい街チェスターを、今回日記に綴っておこうと思います。

れんがを這う黄色のバラ
古いローマの城壁に囲まれたチェスターですが、市街は中世から近世にかけての街並みがそのまま見られ、黒い木の格子に縁取られたチューダー朝様式の建築が美しいです。
中世の街そのもののようなチェスター市街の中心に、シンボリックな白壁に黒い木組みの有名な家があり、その二階部分の回廊はなんとショッピングアーケイドになっています。古いものを大切に残そうとする英国人の精神は、この街にも色濃くあらわれていますが、その名も「ザ・ロウズ」と知って思わずほっこり。偶然なのでしょうが”THE ROWS”という響きがroseとも韻を踏むように共鳴して、薔薇の街にふさわしい香りを添えている気がした美雨でした。

チェスター チェダー王朝式の街並みと、二階回廊アーケード、ロウズ
さて、もうひとつのチェスターのシンボル、チェスター大聖堂(カテドラル)です。ここは聖なる祈りの中心地なのです。ローマとサクソン、そしてノルマンのせめぎあったチェスターの歴史にふさわしく、聖バーバラを祀ったサクソン教会の跡地に、1092年に修道院として再建され、ノルマン式の教会が建てられました。その後も12世紀から手が加えられ、250年の歳月をかけて今の形に完成しました。北側の翼廊やクロイスター(四角い回廊)は12世紀当時の姿のままですが、そこに住む人と祈りに来る人の姿は変わり、カテドラル内部にはみやげ品や本屋などのコーナーが設けられていました。

カテドラルで買ったバラのしおり

上のしおりはもうボロボロで紐はすりきれてしまっています。On duty(仕事のフライト中)に誕生日を迎え、自分にちっちゃなご褒美のつもりで買った、懐かしいバラの香りのするしおりでした。
これは捨てられません。チェスターの思い出と共に、ずっとレギュラー選手で幾冊の本にいだかれてきた、これからもいだかれるであろう、大切な読書の友でもあるのです。
書いてある詩が好き。
何という詩人が書いたのかもわからない、ひっそりとカテドラルの土産屋の片隅で出会う人を待っていたような、ちっちゃな薔薇の花びらの詩。
The years fall gently from thee,
love..as petals,
when the blossom's done..
I gather each one tenderly...
and save the petals,
one by one.
I place each one within my heart
and very slowly,one by one...
the petals from a rose again...
forever sweet,
forever young.
すてきな薔薇の花びらを心に溜めていくメッセージ。
花びらの一枚一枚が、誕生日ごとの永遠にSweetで永遠にYoungな心の中のしおりなのでしょう。
聖なるカテドラルの片隅のしおりにも、チェスターのつる薔薇はかぐわしく薫っていました。
美雨

つる薔薇以外のカテドラルの住民、リス

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町の起源は紀元前にさかのぼり、ローマ軍がウエールズの部族を制するためにこの地に砦を築いたことからついた名前です。古くはチェスターは陣砦を意味する言葉でした。長きにわたるウェールズの攻勢にそなえ、城壁はより長くそしてより強化されていきました。

チェスター大聖堂(カセドラル)
その後も、バイキングやウィリアム征服王の侵略を経て、17世紀の清教徒(ピューリタン)革命で街と城壁は無残に破壊されますが、18世紀にみごとに修復され、美しいチュダー王朝の街並みに生まれ変わります。
かつては街の南側を流れるディー川:River Deeに港を持ち、商業都市としても栄えていました。近世以後は近隣のリヴァプールやマンチェスターが台頭してきて取って代わられてしまいましたが、そんな大産業都市に囲まれて、チェスターは古代ローマと中世の街並みを伝える静けさをたたえています。

チェスター 古いローマの城塞都市
イギリスはどの街も薔薇の庭が美しく、薔薇を愛する人でいっぱいですが、ここチェスターの街で幾度もみかけたピンクと黄色いつる薔薇はなぜか忘れる事ができません。手塩にかけて育てたガーデンローズとはまた違った自然の強さと奥ゆかしさを醸し出すつる薔薇がこんなにも美しいと感じたのは、この街の本質とも通じる何かがこの薔薇にあるからかもしれません。そんなつるバラのどこより美しい街チェスターを、今回日記に綴っておこうと思います。

れんがを這う黄色のバラ
古いローマの城壁に囲まれたチェスターですが、市街は中世から近世にかけての街並みがそのまま見られ、黒い木の格子に縁取られたチューダー朝様式の建築が美しいです。
中世の街そのもののようなチェスター市街の中心に、シンボリックな白壁に黒い木組みの有名な家があり、その二階部分の回廊はなんとショッピングアーケイドになっています。古いものを大切に残そうとする英国人の精神は、この街にも色濃くあらわれていますが、その名も「ザ・ロウズ」と知って思わずほっこり。偶然なのでしょうが”THE ROWS”という響きがroseとも韻を踏むように共鳴して、薔薇の街にふさわしい香りを添えている気がした美雨でした。

チェスター チェダー王朝式の街並みと、二階回廊アーケード、ロウズ
さて、もうひとつのチェスターのシンボル、チェスター大聖堂(カテドラル)です。ここは聖なる祈りの中心地なのです。ローマとサクソン、そしてノルマンのせめぎあったチェスターの歴史にふさわしく、聖バーバラを祀ったサクソン教会の跡地に、1092年に修道院として再建され、ノルマン式の教会が建てられました。その後も12世紀から手が加えられ、250年の歳月をかけて今の形に完成しました。北側の翼廊やクロイスター(四角い回廊)は12世紀当時の姿のままですが、そこに住む人と祈りに来る人の姿は変わり、カテドラル内部にはみやげ品や本屋などのコーナーが設けられていました。

カテドラルで買ったバラのしおり

上のしおりはもうボロボロで紐はすりきれてしまっています。On duty(仕事のフライト中)に誕生日を迎え、自分にちっちゃなご褒美のつもりで買った、懐かしいバラの香りのするしおりでした。
これは捨てられません。チェスターの思い出と共に、ずっとレギュラー選手で幾冊の本にいだかれてきた、これからもいだかれるであろう、大切な読書の友でもあるのです。
書いてある詩が好き。
何という詩人が書いたのかもわからない、ひっそりとカテドラルの土産屋の片隅で出会う人を待っていたような、ちっちゃな薔薇の花びらの詩。
The years fall gently from thee,
love..as petals,
when the blossom's done..
I gather each one tenderly...
and save the petals,
one by one.
I place each one within my heart
and very slowly,one by one...
the petals from a rose again...
forever sweet,
forever young.
すてきな薔薇の花びらを心に溜めていくメッセージ。
花びらの一枚一枚が、誕生日ごとの永遠にSweetで永遠にYoungな心の中のしおりなのでしょう。
聖なるカテドラルの片隅のしおりにも、チェスターのつる薔薇はかぐわしく薫っていました。
美雨

つる薔薇以外のカテドラルの住民、リス

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アンジュママ様
イギリス人は本当に庭造りと薔薇が好きですね^^
黄色のつるバラ、モッコウバラともまた違って、大輪の素敵な薔薇なんです。
あの頃、種類を聞いておけばよかったのに、私は若すぎてそのようなことも思い至らず、ただただきれいと見惚れていただけでした。日本ではなかなか見当たりません。薔薇園とか植物園にいけばまた再会できるでしょうか・・・
でも、あのレンガの街並みや城塞、ガーデンと呼べるお庭で咲くからこそあのばらは一番美しくマッチして美しく咲くのでしょうね(笑)
しおりは、一応まだ現役でがんばってくれています。
ありがとうございます。^^